今回は原子について詳しく書いていきたいと思います。
前回の元素、原子、分子の違いについての記事で少し原子の説明をしましたが、今回はさらに詳しく原子の説明をします。
こんにちは、ケミすぺあ です。
まず、原子というのはとにかく小さい粒です。
様々な物質を限界までちぎると原子になり、原子ごとに決まった大きさと質量があります。
ちなみに、ピンポン球から見た地球の大きさと原子から見たピンポン球の大きさは大体同じくらいと言われています。
(原子:ピンポン球=ピンポン球:地球)
正直、私もそうなんですが、この例えあまりピンと来ないですよね笑
もしピンと来なかった方は、原子はとりあえず小さいと覚えてください。
原子の構造
ここからはさらに小さい世界の話になります。
まず、先ほど限界まで物質を小さくちぎったものが原子とか言った後に申し訳ないのですが、原子を構成している3種類の粒子(陽子,電子,中性子)が存在します。
陽子:正(プラス)の電荷をもつ粒子 (中性子とほぼ同じ重さ)
電子:負(マイナス)の電荷をもつ粒子 (軽い。陽子や中性子の1840分の1くらいの重さ)
中性子:電荷を持たない粒子 (陽子とほぼ同じ重さ)
陽子と中性子はほぼ同じ重さですが、電子は2つに比べかなり軽いです。(1840分の1くらい)
電荷というのは、物体が持つ電気量の事を表しますが、細かい話は難しいのでとりあえず同符号(プラス同士、マイナス同士)なら反発して違う符号(マイナスとプラス)なら引き付け合うと覚えておきましょう。
また、原子を細かく表すと下の図のように原子核(陽子と中性子)の周りを電子がぐるぐるまわっている構造をしています。
下の図はヘリウム(He)原子を表したものになります。
原子核は中性子と陽子から出来ています。
ところで突然ですが、ヘリウム(He)は周期表の何番目か覚えてますか?
ヘリウム(He)は水素の次なので2番目(原子番号2)です。
なぜ、急に何番目の元素か?なんて聞いたかというと、原子の電子と陽子の数は原子番号と同じだからです。
つまり、先ほどのヘリウム(He)原子の図の原子核の部分を詳しく表すと次のようになります。
あれ? 中性子も原子番号と数が同じ? って思った方もいるかもしれません。
そう思った方は、ほぼ正解です。
実際、中性子の数も原子番号と同じ場合がほとんどです。
ただ、違うパターンも存在します。
そして中性子の数と原子番号が同じパターンと違うパターンを見分ける方法があります。
下のような表記を教科書で見たことある人も多いのではないでしょうか。
この表記で元素記号が書かれている場合、左下に元素番号、左上に質量数(重さ)、を書くルールがあります。
質量数とはその原子の重さのことで、質量数=(陽子の数+中性子の数) という式で表します。
この時、電子はあまりに軽すぎる為、電子の重さは考えなくて大丈夫です。
下記のように今まで説明したことをまとめると左のヘリウム(He)と右のヘリウム(He)の中性子の数が分かります。
陽子と中性子はほぼ同じ重さ
左下に元素番号、左上に質量数(重さ)
陽子の数は原子番号と同じ
質量数=(陽子の数+中性子の数)
まず、ヘリウム(He)は元素番号2なので左右のヘリウム(He)はどちらも陽子の数は2です。
次に、質量数は(陽子の数+中性子の数)なので、質量数から陽子の数を引くと中性子の数となります。
したがって、左のヘリウム(質量数4)は陽子の数2を引くと中性子が2ということがわかり、右のヘリウム(質量数5)は陽子の数2を引くと中性子が3ということがわかります。
中性子の数=質量数(左上の数)-陽子の数(左下の数)
まとめ
今回の話をまとめると次のようになります。
原子は陽子、電子、中性子という3種類の粒子から構成され、陽子と中性子の周りを電子がぐるぐるまわっている。陽子と中性子の部分を原子核という。
陽子:正(プラス)の電荷をもつ粒子 中性子とほぼ同じ重さ
電子:負(マイナス)の電荷をもつ粒子 陽子や中性子に比べるとめちゃくちゃ軽い。
中性子:電荷を持たない粒子 陽子とほぼ同じ重さ
同符号(プラス同士、マイナス同士)なら反発して違う符号(マイナスとプラス)なら引き付け合う
電子と陽子の数は原子番号と同じ。
中性子の数は原子番号と同じ場合が多い。
質量数=(陽子の数+中性子の数)
ご覧いただきありがとうございました。
次回は、今回で書ききれなかった原子の電子配置について書きたいと思います。