今回はイオン結合について例を使って詳しく分かりやすく解説します。
イオン結合の見分け方なども紹介します。
イオン結合とは
世の中の色々な物質は化学結合という結合に
よってできています。
この化学結合は大きく分けると3種類の結合が
あり、その中の1つが今回のイオン結合です。
イオン結合とは分かりやすく例えると
磁石のS極とN極がくっつくようなイメージで
陰イオン,陽イオンがそれぞれ持つ
マイナス(ー)とプラス(+)がくっ付いた結合
のことです。イオンが持つマイナス(ー)とプラス(+)はお互いが引きつけ合う性質があり、この引きつけ合う力を静電気的引力(クーロン力)と言います。
そしてこのイオン結合によってできた結晶を
イオン結晶と呼びます。
イオン結合と
イオン結晶の特徴
イオン結晶には主に次の4つの特徴があります。
① 固体(融点,沸点が高い)
② 硬くてもろい
③ 電気を通さない
(ただし水に溶かすと電気をよく通す)
④ 液体の状態だと電気をよく通す
(高温にして結晶を
液体化させるとその液体は電気を通す)
・まず②について
イオン結合でできたイオン結晶には
硬くてもろい
という性質があります。
「硬いのにもろい...?」
硬くてもろいと初めて聞くと
難しく聞こえますが
簡単にいうと
壊れにくいけど一度ヒビが入ったら
一気に壊れるイメージです。
この硬くてもろい性質を
へき開と言います。
続いて
③ 電気を通さない
(ただし水に溶かすと電気をよく通す)
④ 液体の状態だと電気をよく通す
について塩化ナトリウムを例に解説します。
イオン結晶である塩化ナトリウム(NaCl)は
そのままだと電気を通しません。
しかし
水溶液や液体にすると電気をよく通します。
このようにイオン結合にはさまざまな特徴を
紹介しましたが
「そもそもイオン結合かどうかって
どう見分けるの?」
という疑問が湧いてる人もいると思うので
次は見分け方を紹介します。
イオン結合の見分け方
イオン結合の見分け方は
化学式を見て
金属と非金属の組み合わせ
かどうかを見れば分かります。
例えば先ほど出てきた塩化ナトリウム(NaCl)は
金属のNa+と非金属のCl-なので
イオン結晶であることがわかります。ちなみに基本的には
非金属と非金属でできた結合を共有結合
金属単体でできた金属結合と言います。
ではここでイオン結合を見抜くための
例題をやってみましょう
例題:イオン結合の見分け方
Q.次の中からイオン結合の物質を全て選べ
①塩化カリウム(KCl)
②二酸化炭素(CO2)
③硫酸マグネシウム(MgSO4)
④塩酸(HCl)
⑤鉄(Fe)
答え
①塩化カリウム(KCl)
③硫酸マグネシウム(MgSO4)
解説
①塩化カリウム(KCl)は金属のK+と非金属のCl-
なのでイオン結合で出来てるとわかります。
③硫酸マグネシウム(MgSO4)は
少しわかりにくですが
多原子イオンを思い出すと簡単です。www.kemisupea.com硫酸マグネシウム(MgSO4)は
金属のMg2+と
非金属の多原子イオンのSO42-
でできているので
イオン結合でできていると言えます。
まとめ
・イオン結合とは
磁石のS極とN極がくっつくようなイメージで
陰イオン,陽イオンがそれぞれ持つ
マイナス(ー)とプラス(+)がくっ付いた結合
・イオン結合(イオン結晶)の特徴
① 固体(融点,沸点が高い)
② 硬くてもろい(へき開)
③ 電気を通さない
(ただし水に溶かすと電気をよく通す)
④ 液体の状態だと電気をよく通す
・イオン結合の見分け方
化学式を見て
金属と非金属の組み合わせ
かどうかを見る。
⚠️多原子イオンに注意する
今回は以上です。
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