ゼロからの化学基礎

難しく考えずゼロからでも学べる初級者向けの化学ブログです。

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電子配置の書き方と例

今回は電子配置の書き方について
詳しく書いていきます。

本記事では上の画像のような
原子番号の1〜20を書けるようになる
目標に電子殻に関する3つのルール1つの特徴の計4つを紹介します。

3つのルールと1つの特徴

1.電子殻には
     それぞれ入れる電子の定員がある。

2.電子は内側の電子殻から順に配列していく
    (例外あり)

3.電子殻にある電子数が定員ぴったりのとき
  または電子8個のときは安定

4.原子番号1〜20に共通する特徴
     →最外殻以外の電子殻は常に満員状態か
         電子が8個

この4つを理解することで
元素番号1〜20の電子配置を書けるようになります。

急ぎの方は
下のルールと特徴の詳細をご覧ください。

続いてM殻など電子殻の名称について解説した後
ルールについて詳しく説明するので
K殻とか知ってる人は飛ばして読んでOKです。

電子殻の名称


図のように電子はいくつかのに分かれて存在し

この層を電子殻といい、電子の配列の仕方を電子配置と呼びます。 f:id:kemisupea:20200730233634j:plain
またこの電子殻は
内側から順にK殻,L殻,M殻,N殻...のように
アルファベットで呼びます。


え?なんでKからなの?
Aからでよくない?

って思いませんでしたか?

実はこれ
電子殻を見つけた人が「今後、技術が進歩したら更に内側に電子殻みつかるんじゃね?」って思ってA〜Jの10個の余裕を持ってKから名付けたみたいです。

まあ理由はともかく
電子殻はK殻から始まると覚えましょう。

では電子殻の名称の次は
先ほどのルールと特徴について
分かりやすく掘り下げていきます。

ルールと特徴の詳細

ルール1

電子殻にはそれぞれ入れる電子の定員がある

電子殻の定員は2n2で表せます。
(内側からn番目の電子殻)

ルール2

基本的に電子は
内側の電子殻から順に配列していく

原子番号1の水素(H)から18のアルゴン(Ar)までは電子は内側から順に埋まっていく。
(K殻→L殻→M殻→N殻...)

例:ナトリウム(Na)
→原子番号11なので電子は11個
→ K殻:2, L殻:8, M殻:


※原子番号19カリウム(K)と20のカルシウム(Ca)は
ちょっと特殊なので次のルール3で解説。

   

このルール1と2の
電子殻には定員があり内側から順に埋まっていく
を理解すれば原子番号1~18までの電子配置
すでに攻略完了です。

では原子番号19,20のカリウム(K),カルシウム(Ca)の電子配置を書くためにルール3を見ていきましょう。 

ルール3

電子殻にある電子数が定員ぴったり または
8個のときは電子殻は安定。

不安定より安定の方が良いので
原子は安定な電子殻が多い方を目指します。

「どういうこと?」ってなると思いますが

下図の原子番号20のカルシウム(Ca)の
電子配置を見てください。
右は安定な電子殻がK殻,L殻の2つだけだが
左は安定な電子殻がK殻,L殻,M殻の3つもある。
              (ルール3より)
従って安定しやすい左が正解になります。

これは原子番号19のカリウム(K)も同様です。
このようにKとCaはルール2の内側の電子殻
から順に配列していく
例外で

ルール3の原子は安定な電子殻が多い方を目指す」が優先されます。

では最後に
もし3つのルールだけで混乱した時のために
便利な次の特徴を紹介します。

原子番号1〜20に共通する特徴

最外殻以外の電子殻は常に定員いっぱい
   または電子が8個

ここで下の2つの図に注目してください。
上の2つの図を見ると
最外殻以外の電子殻は常に定員いっぱい
   または電子が8個
の状態になっています。

⚠️これに関して注意して欲しいのは通用するのは20番目のカルシウムまでで、21番目のスカンジウム以降は必ず当てはまるわけでは無いです。
しかし21番目以降の電子配置を書く機会は高校化学ではあまり無いので原子番号21の以降の電子配置は必要な時に調べる感じで大丈夫です。

以上のことを用いると原子番号1~20までの電子配置が書けるようになります。

まとめ

・原子番号とその原子の電子数は同じ。

・電子は内側から順にK殻,L殻,M殻,N殻..
 と呼ばれる
電子殻に存在し、その配列の仕方を
    電子配置と呼ぶ。

3つのルールと1つの特徴

 電子殻には
   それぞれ入れる電子の定員がある。
電子殻の定員は2n2で表すことができる。
(内側からn番目の電子殻)

基本的に電子は内側の電子殻から順に
    配列していく(例外あり)

原子番号1の水素(H)から18のアルゴン(Ar)までは電子は必ず内側から順にK殻,L殻,M殻と順に
埋まっていく

 電子殻にある電子数が定員ぴったり または
   8個のときは電子殻は安定。
→「原子は安定な電子殻が多い方を目指す

原子番号1〜20に共通する特徴
最外殻以外の電子殻は常に定員いっぱい
   または電子が8個
(⚠️
通用するのは20番目のカルシウムまで)

この③と④を覚えることで、ルール1,2だけでは
太刀打ちできなかった原子番号19のカリウム(K)と20のカルシウム(Ca)の電子配置に対応できるようになります。

 電子殻や電子配置の知識や書き方はかなり応用が効くので、ぜひ原子番号1~20(H~Ca)の
電子配置は書けるように
しましょう。

 

 今回は以上になります。www.kemisupea.com他にもイオンや化学結合の話で重要になる価電子と周期表の関係周期表の覚え方など紹介しているのでよかったら見てください。